黒の村娘といにしえの赤鬼
「あ、珠々ー!こっちだよ!」
手招きする小夜の方へ向かうと既に何人かの女性や村娘たちがいた。
皆手には木刀を持っている。
私たちと一緒に護身術を習うのだろうか。
「皆は…?」
「見ての通りよ。私が声をかけたら皆来てくれて」
「秋彦様に直接指導していただく機会なんて女の私たちにとっては滅多にないわ」
「珠々ちゃんが護身術なんて覚えたらますます完璧な女になっちゃうわね。美人だし、強さも兼ね備えるなんて…」
そう言って顔見知りのお姉さんがうっとりと私を見つめた。
私、皆が思ってるほど美人じゃないし、ただの農家の娘なのに…。
そうこうしてるうちに広場におじさんがやって来た。
助かった…やっと解放される。
「やあ皆、揃っているね?早速始めようか」
「「はい!」」
おじさんがやってきて切り替えた皆は元気よく返事をすると、おじさんの護身術講座?が始まった。