黒の村娘といにしえの赤鬼
休憩時間になると女たちはペラペラとおしゃべりが止まらない。
そんな中、私は村のお姉さん方に捕まってしまった。
「そういえば珠々、まーたこの前縁談を断ったんだって?」
「珠々は今まで数々の縁談を断ってきたのよ。罪深い女だわ」
小夜が冗談っぽく笑みを浮かべる。
「そうなの!?もったいないわ」
「ねえ、その中にお金持ちの人はいた?外の人だった?」
皆が次々質問してきて、私は苦笑いを浮かべる事しかできなかった。
確かに縁談を断った事は本当だけど、全て父さんが勝手に断っていたのだ。
私は男性の絵を見ていいなと思っていた人もいて本気で結婚を考えた人もいた。
でも父さんはだめの一点張り。
ろくな恋愛もしてこなかった。