黒の村娘といにしえの赤鬼

次の日、朝か夜かも分からない時間に目が覚めた。
牢屋の床には白いおにぎりが置いてある。
…という事は朝になったんだ。
昨夜も牢屋に入れられてから少しして食事が出された。
まあ相変わらず冷たいぱさぱさの味気ないおにぎりだけど…。

でも何もしなくても腹は減る。
私はおにぎりに手を伸ばし、水と一緒に飲み込んで食事を終えた。

あぁ…早く帰りたい。
いつまでこんな所にいなきゃらいけないんだろう。


「…あの、そこの見張りさん。お話相手になってくれません?」
「…」
「…はぁ」


私に一瞬目を向けたと思ったらすぐに逸らして黙り込んでしまった。
人間とは何も話したくないってことね。
ここまでするなんて、鬼の教育はなんてご立派なんだから。

というか元々は鬼が先に人間の村に攻めてきて返り討ちに合ったんでしょ?
自業自得じゃない。
なのにこんなに人間を恨むなんてどうかしてる。

それにずっと気になったんだけど…

鬼って角がついてるものじゃないの?

髪色や瞳が色とりどりなだけでほぼ人間じゃない。
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