黒の村娘といにしえの赤鬼

「…では最後に鬼について二人に話していない真実を教えよう」


もう終わるかと思ったところでおじさんがそう言った。


「え、なになに!?どうして今まで教えてくれなかったの?」

小夜は早く聞きたくてうずうずしているようだ。


「頃合いかと思ってね。小夜も珠々も十七になったし、話しておくべきかと思ってね」

鬼についてなんて興味はなかったけど、今まで聞いた事がない話ならと私も気になっていた。


「それは一体…」



「…実は鬼はまだ生きているのではないかという事だ」



「生きて…いる?」


そんな事…ある訳ない。

だって鬼は倒したって…

退治したから村は平和になったって言っていたじゃない。
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