記憶がなくても
私が奏汰くんと出会ったのはいつだっけ


あれは確か…



高校の入学式が終わった体育館裏だった

~2年前~


「今日から高校生だという自覚をもって…」


「校長話ながくないー?あれ絶対かつらだわ」


長い話をする校長に美香はだるそうそうに言い放った。


「仕方ないよー。入学式話長いのはお決まりだよ美香…」


「そうだけどー」



私と美香だけでなく、周りもそう感じていたのか携帯をいじる人や友達と話している人が多く目立つ



「ではよい学校生活を!」



「ようやく終わったー!夏美次クラス発表だよ」


「うん」


長かった校長の話も終わり、私達は教室に戻る


「夏美と同じクラスがいいなー」


「私もだよ」


そんな話をしていたら上履き入れを体育館に忘れたことを思い出した

「美香ーっ」


「どうした?」


「上履き入れ忘れたー」


美香は呆れたようにため息をつく


「取りに行ってきな、私教室で待ってるからね」


「わかった」


そう言われ、もと来た道を戻る


美香も一緒に付いてきてくれてもよかったのにさ…


美香の愚痴を思いながらもあることに気づいた


ここさっきの道じゃない!


体育館はどこだ?

私…

完璧迷子だ…。

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