引きこもりが脱出した結果。 seasonⅡ


やっとのことで名前を書いて身分証を探し出した。


「では、こちらの入館証をどうぞ。」


そう言われて受け取るとすぐに、エレベーターの方へ走り出した。


もう、涙が溢れちゃう。


まだ泣かない、まだ泣かないって自分に言い聞かせて、エレベーターのボタンを連打した。


早く、


早く、


一人になりたいっ、


そして数十秒後、やっとエレベーターが着いた。


これで、やっと溜まりに溜まった涙を流せる。


なのに。


神様は、残酷だ。


「すみません、俺も乗ります!」





声だけで、わかった。



駆け足で入ってきたのは、類だった。


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