鬼羅 〜最弱の暴走族〜
「...」
「...」
クソ、居づらいな。
でもここで出ていったら変に思われそうだし..
悶々と考えながら屋上を行き来する。
暫くそれを続けると、痺れを切らしたかのように長谷川が口を開いた。
「ねえ 」
「え!あ、はい..」
「さっきからうろちょろうろちょろ。目障り」
「すみません...」
殺気を含ませた視線でこちらを睨みつける長谷川。
流石は碧緋の総長の彼女、とでも言ったところだろうか。
長谷川の殺気を浴びながら、おずおずと後ろに下がるとそこに腰を下ろす
..屋上なんか来なけりゃよかったよ
「...」
「...」
続く沈黙の中でヒュルヒュルと 心地の良い風の音だけが響く。
「お前は、何故鬼羅の総長を続ける..」
その沈黙を破ったのは長谷川だった。