鬼羅 〜最弱の暴走族〜
「おい濂、俺も今から行ってくるから絶対にここから動くなよ。」
「うん...」
「いいか?約束だからな。終わったら直ぐに迎えに来る」
俺の頭を撫でて微笑むと、村田さんは倉庫へと戻って行った。
その直後、バイクの重低音を掻き鳴らして
アゲハの刺繍の入った特攻服を身に纏う集団が 俺の目の前を通過したんだ
(鳳蝶って、もしかしてさっきの人たちのことなのかな)
幼いながら 悪い予感を悟った俺は
倉庫の方へと走り出していた