鬼羅 〜最弱の暴走族〜
「長谷川、陽芽……きらにぃを轢いた相川柊磨の、弟の女……」
彼女が去ってしん…とした屋上で、意味もなくそんな事を呟く。
『それじゃ、また_______…で』
さっき長谷川はなんと言ったのだろうか。
いずれにしても『また』会うことにはなるんだろうが。
それにしても気になる、
長谷川はなぜ突然、呆気に取られたのだろうか。
まさか。誰かに見られていた…?
それともまた別の理由か…?
「……わっかんねー、」
謎だらけの彼女が気になって仕方ない。
気を紛らわすために その場に寝そべると太陽に手をかざしてみる。
チリリーン チリリーン
「鈴…?」