鬼羅 〜最弱の暴走族〜
「でも …」
「……っでも ?」
「…それを止める人間がひとり居る。そして其奴は…鬼羅を救う代わりに
… 孤独になる 」
「誰なんだよ、それは…」
「さあ?明日になれば分かるさ。」
それだけ言うと 黒猫は屋上のフェンスをのぼり始めた。
「お、おい…」
「あ、これあげる。」
ちりりんっ
黒猫から投げられた小さな鈴を受け取ると、俺は黒猫を見つめる…
「僕が現れた場所には、それを残すようにしてるんだ…
″僕″が居た証を残すためにね」
「…」
「それじゃあ、また近いうちに会おう。 平野濂」
カシャンッ
こちらに手を振ると、 黒猫は 舞うように屋上から飛び降りたんだ。
「……?!… 居ない」