鬼羅 〜最弱の暴走族〜
「..誰が逃がすかよ」
黒猫は、腕を掴んでいた男の鳩尾に重い蹴りを入れた
男の身体がずるずると地面に倒れ込む。
逃げようとした他の男達の後ろに素早く回り込むと
拳や蹴りを的確に命中させ
数秒後には黒猫の周りに立つものは居なくなった。
『ぐ.. ぁ.. ,クソッ ..黒猫..』
黒猫がその場を立ち去ろうと足を進めると
1人の男が足を掴みそれを阻まれる。
「汚い手でわ..ボクに触ってんじゃねーよ」
黒猫がもう1度蹴りを入れるとその男は完全に気絶してしまった。
ちりりん、と音を立ててその場に可愛らしい鈴が残される。
チリリーン チリリーン
暗闇の静寂に 鈴の音だけが響き渡っていた。