鬼羅 〜最弱の暴走族〜



『あ、おい!碧緋の皆さんだ..!』



途端に教室と廊下が騒がしくなった。
先程まで御喋りで盛り上がっていた女子達も教室の窓から身を乗り出して黄色い声上げている。

メンバーが近づいて来ると共にどんどんと大きくなる黄色い声。

ついに俺達の教室の前を碧緋の幹部たちが通った時
総長である相川凜空と目が合ってしまった。






「あれー?濂じゃーん。おーい!」


「…」



態とらしく間延びした相川の声に思わず俯いてしまう。






「無視なのー?最弱暴走族の総長、平野濂くーん」


「おい凜空やめとけってー。」

「そうだよー。弱虫くんが可哀想だよ?」




ほかの幹部たちが笑いを堪えるように相川に言う。
周りの視線も此方に集まり くすくすと小さな笑い声が聞こえ始めた。





耐えればいい。何もわからない奴らの言う事なんかに聞き耳を持つな。


自分に言い聞かせてぎゅっと拳を握る。




「ねえ凜空。早くして。私早く座りたい」
















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