鬼羅 〜最弱の暴走族〜
「ん、ああ陽芽。悪い、行こうか」
1人の女子の声に相川が笑みを浮かべた。
そして碧緋の幹部たちが歩き出す。すると俺に向けられていた視線は再び碧緋への黄色い声へと変わっていった。
『陽芽さん、やっぱめちゃめちゃ綺麗だな』
『だよな。流石は凜空さんの彼女、碧緋の姫だよなぁ』
『あーずるい。凜空様たちとずっと一緒に居られるなんてさー。』
『でもさでもさ、陽芽さんだから許せるよねー!』
『それなー、』
うちの高校で一番有名な碧緋。その姫である長谷川陽芽は男女共に人気のある存在だ。
だから俺はこの時考えもしなかったんだ。長谷川陽芽が碧緋から追い出されること、そして..
長谷川陽芽の正体を。