生きてあなたを愛したい
「おー、泣くな泣くな」
皐月は私を抱きしめる。
「おい、皐月」
「あー……はいはい。さ、冬乃さん俺らは帰りましょうか」
「えっ?あ、はいはい」
皐月は私から離れて、優雅の方に押すようにしてから、冬乃さんと家を出て行った。
「葉月」
「ん?」
「ありがとうな」
「うん」
「次の病院、休みとるからな」
「うん」
優雅は嬉しそうに笑った。
ーブーッ
「チッ」
誰だよ、こんな時に…と携帯を見る優雅。
画面を見て顔を曇らせた。
「どうしたの?」
優雅はハッと顔を上げて、何でもねぇと首を振った。
「今日、俺が飯作るからな。これから出来るだけ早く帰ってくる」
「いいよ。たまにで」
優雅はハイハイと言いながら、スーツを着替えに行った。
ーブーッ