生きてあなたを愛したい
俺は半ば本心状態で誘導された待合室に入った。


「「柊雅!!!」」



自動ドアが機械的な音を立てて開いた。

「兄貴…、親父…お袋、……」


その後には黒龍の幹部達。

「説明を、…っ」


しないと…、そう思うけど口が動かない。
思ったように声が出ない。

葉月が血塗れで階段の下に置き去りにされていた…。

あの光景が…頭から離れない。





「落ち着け」


親父は俺をギュッと抱きしめた。

やっと周りが見えて、みんなの乱れた息と恐怖と心配の表情が見えてきた。


「兄貴が帰ってすぐに…葉月を妬んだ女達が…そん時は追い返したんだ…。けど、その後で葉月を呼び出したみたいで、葉月を…階段から突き落としたって…」




兄貴は俺の話を聞かず、壁にもたれてしゃがみ込んだ。

「くそ…っ」



壁を思い切り殴って、両手で顔を覆った。

「ごめん…俺がちゃんと教室まで送ってればよかった…」


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