生きてあなたを愛したい
「…重症頭部外傷…です。
…詳しい説明は後ほどしますが…、
…脳挫傷、頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫、後頭部挫創を一度に引き起こしています。
…現在脳の腫れが酷く、頭蓋骨を一部外している状態です。
搬送された時点で心停止していました。
……搬送があと少し遅れていたら…どうなっていたか…。」
頭蓋骨を…外して…!?
そんなことして…人間って生きれるもんなのかよ…。
「お腹の子供は無事でした」
如月先生の小さな笑み。
兄貴は力が抜けたように地面に膝をつけた。
その目からは止めどなく涙が流れ、兄貴は拭う事をしない。
如月先生は兄貴と同じ目線にしゃがみ、頭に手を置いてクシャクシャと撫で回した。
「怒鳴って悪かったな」
「…くっ、…」
あぁ…俺のせいで…。
怒鳴られるべきは兄貴じゃなく、俺なのに。
どうしていつも兄貴を困らせる…。