生きてあなたを愛したい
徳孝先生が優雅を指さす。
「葉月の腹の子の父親の、堂島優雅だ」
「あー…この人が。…って…あれ?もしかして…。堂島組?」
徳孝先生は観察するように優雅を見る。
「え…あ、はい…?」
「おお、やっぱり!!!3090gの優雅君!!!いや〜大きくなったなー」
優雅は、一瞬目をパチパチさせてから、徳孝先生の言っていることを理解して、少し顔を真っ赤にさせ、「やめてくださいよ!!!」と言った。
「な、な、なんで知ってるんですか…」
顔を真っ青にして言った優雅。
「ん?俺がとりあげたからだ。いやぁ、まさかその子供をとりあげることになるとはね〜」
徳孝先生の何気ない一言で、優雅は顔を下げた。
「あの…」
「ん?」
「…産めますか…?葉月は…」
「産める。下條さんには強い意思がある。それに…俺は信じてる。赤ちゃんが引き起こす奇跡を」
優雅は、はっと顔を上げて、涙を流した。
「優雅。話があるんだ。大事な話」
風翔さんは優雅の背中をポンポンと叩いた。
優雅は何の話をされるのか、いや、これからする話は葉月の事だと分かり、決心を固め、頷いた。