生きてあなたを愛したい


ICUの前には徳孝先生と五条先生、鬼頭先生がいた。


中を覗けば、虚ろながらにも目を開けた葉月。
懸命に話しかける、脳外科の水谷先生と風翔さん。




反応はなく、葉月はぼーっとどこかを見つめていた。


水谷先生と風翔さんは顔を見合わせて険しい顔。




風翔さんがこっちに向かって歩いてきた。




「耳が聞こえていないのか…それが一時的なものなのか…。それとも脳に損傷があり、言葉が届かないのか…。それから…喋らないのか、喋れないのか…だから後遺症の有無が…判断出来ない…」




五条先生、徳孝先生、鬼頭先生は顔を下げた。





「…皐月、……会う?」


「…はい」






俺は風翔さんに背中を押され、中に入った。






「葉月」



俺が名前を呼ぶと、少しだけ目を細めた。



水谷先生が驚いている。
一切反応しなかったんだろう。

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