生きてあなたを愛したい
「分かるか?」


でも、それ以降何を話しかけても反応せず、一瞬希望を持った医師たちも、また顔を下げた。





それから毎日、葉月に話しかけ続けた。




7日経った日だった。

もうすぐすれば優雅が来る。



今日は愛二と詩音がいる。







「それでね、藍音がねっ?俺のおかし全部食べちゃったんだよ!?ひどくねぇ!?でねでね!!!」




いつか、笑ってくれるんじゃないか、と愛二は懸命に話しかける。

詩音と俺はそれを黙って見ている。






風翔さんや水谷先生に「ちょっとでもアクションを起こしたら呼べ」と言われている。






「皐月」

「ん?」





「俺、葉月が階段から落とされた日、「女なんていなくなればいい」って言ったんだ。何気ない一言だったんだ」





「…あぁ」



「そしたら「酷い心臓病持ってるからいつ死んでもおかしくないんだ」って…こいつ笑顔で言うんだよ…」


「…」






「その時後悔した。あぁ、なんて事言ったんだって…。電話があって、苦しくなった。死んで欲しくないって思った。…女なのに…。葉月は失いたくないって思った」


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