生きてあなたを愛したい
「うん、手術とか特に入ってないし」
「えっ、俺一応理事長だぜ…。暇だけど」
葉月はニコッと笑った。
最近葉月はよく笑うようになったな。
こういう笑顔はあまり見せてくれなかったから…。
いつも、無理やり作った笑顔で、こちらに心配と迷惑をかけないようにしていた。
優雅効果かな…。
ーブーッブーッブーッ
「げっ…」
「どうした?」
葉月の手元にあるスマホの画面に表示されるのは、「堂島 優雅」。優雅だ。
「…はい?」
ため息混じりの返事に、俺達は苦笑いを浮かべた。