生きてあなたを愛したい
「あぁ、うん。そうだね。……別に毎日来なくたっていいし…えっ?は、ちょっと!」
その後、10秒ほどの沈黙のあと、葉月は耳からスマホを離して言った。
「切れた」
「あいつ、最近お前に付きっきりだな」
真琴はまた、ベッドに座って笑った。
「笑い事じゃないよ…。仕事、私が入院してるからしないとか…理由になんないから。優雅の仕事量って凄まじいから、あいつがサボると、周りの人に降りかかっちゃう…。
圭斗さんもそりゃあ、あぁなる訳だ」
圭斗さんって、優雅の側近の…。
あ、確か、あの目の下にクマつくってた…。
「風翔さん、私の退院っていつになるの?」
「うーん…。葉月は放すと、また怪我して帰ってきそうだしね…。」
「えっ」
「だって、心臓病なのに走って自発呼吸出来なくなるわ、喧嘩して自発呼吸できなくなるわ、銃で撃たれるわ、ボコボコにされるわ、重症頭部外傷になるわ、血流しすぎて貧血気味だし…。これ、正気の沙汰じゃないからね…」
う…と顔を真っ青にした葉月は、ゴメンナサイと言いながら本で顔を隠した。
「まぁ、でも…状態がよければあと2ヶ月後くらいかな。通院しなきゃだけど」
そうは言ったものの…どうだろうか。
最近は不整脈も頻繁に出てきてるし、その上、お腹の子も気になるし…。