生きてあなたを愛したい
優雅を焦らせるつもりで言ったのだろう、雅人さん。
でも、優雅は嬉しそうで、柊雅君は「げ…」と顔を歪ませる始末。
雅人さんは呆れたように「お前らな…」とボヤいた。
「兄貴…仕事に行ってくれ…。俺が困る…。俺は兄貴のサポートとかでいいんだが。」
「俺だって組長なんか…。お前がやれよ…。」
「嫌だよ。兄貴だろ?やれよ」
「は?たった1年違いだろ?関係ねぇよ。」
組長の座の譲り合いが始まった…。
雅人さんはため息をついて私に言った。
「組長の座ってのは取り合いが始まるもんなんだがな…。…まさか譲り合いが始まるとは…」
呆れたように頭を搔く雅人さんに、また、みんなが笑う。
笑いに包まれたここは、私がいていいのだろうか。
ここは、私の居場所なんだろうか。
いや…愚問…。
ここは優雅がくれた大切な居場所だ。
両親が私に残してくれた人生だ。
「葉月、点滴かえるね」