生きてあなたを愛したい
葉月は残念そうに肩を落とした。
「失礼します」
開いた扉を軽くノックをして、病室を覗いたのは鬼頭先生。
親父達に軽く会釈をして、葉月に言った。
「今日の心電図で異常が無かったら、一時退院が出来るよ。リハビリは定期的に来てもらうけど…。どうする?」
「本当ですか!?かっ、帰ります…」
信じられない…と言うような面持ちでそう言った葉月を、鬼頭先生は、面白いな…と呟き、頭をポンポンと撫でた。
「よく頑張りました」
「…っはい!」
鬼頭先生は、じゃあ、検査の時に呼びに来るね、と言って出ていった。
嬉しそうに俺の顔を見上げる葉月に、俺は笑って「よかったな」と言った。