生きてあなたを愛したい
間があるじゃねぇか…。
薫だってぜってぇ思ってるな…。
「葉月。王子さんと陸希さんが来るんだと。」
「ほんとに!?やったぁ…っ」
………。
「葉月は嬉しいそうだ…」
『……そりゃそうか…。先代がめんどくさいのは俺たちだけか…。』
薫は、今から向かう。と言って電話を切った。
葉月はまだ少し不自由な手を器用に動かしながら、雑誌やペットボトルなどを片し始めた。
この前、手伝う。と手を出したら、病人からリハビリを奪うなって怒られた。
「ねぇ、皆来るまで歩きに行ってもいい?」
「俺も行こうか?」
「ううん。いいよ。ここにいてよ」
「分かった。転ぶなよ?あと、なんかあれば迎えいくからな」
「心配性だな…。分かったよ」
葉月はスマホをポケットに入れて、ベッドからおりた。
ゆっくりゆっくり、手すりをたぐって歩く。
葉月が病室から出ていくと、俺は周りを少し片付けた。
誰か来るたびに少しずつ汚していくからな…。
あまり自由のきかない葉月は、思うように片付けが出来ないから、俺が片付ける。
お菓子のゴミとか、ジュースの缶とか。
ちゃんと片付けていく人は片付けていくけど、愛二とか藍音、若葉、柊雅とか…バカ共は食い散らかしっぱなし。
柊雅が置いていったでっけぇ人形もソファーに座らせた。
ずっとベッドに乗っていたからか、ベッドが広く感じた。
俺はベッドに座って、ボスんとベッドに体を沈めた。