生きてあなたを愛したい

間があるじゃねぇか…。

薫だってぜってぇ思ってるな…。





「葉月。王子さんと陸希さんが来るんだと。」

「ほんとに!?やったぁ…っ」


………。




「葉月は嬉しいそうだ…」


『……そりゃそうか…。先代がめんどくさいのは俺たちだけか…。』




薫は、今から向かう。と言って電話を切った。


葉月はまだ少し不自由な手を器用に動かしながら、雑誌やペットボトルなどを片し始めた。

この前、手伝う。と手を出したら、病人からリハビリを奪うなって怒られた。





「ねぇ、皆来るまで歩きに行ってもいい?」



「俺も行こうか?」



「ううん。いいよ。ここにいてよ」

「分かった。転ぶなよ?あと、なんかあれば迎えいくからな」

「心配性だな…。分かったよ」





葉月はスマホをポケットに入れて、ベッドからおりた。


ゆっくりゆっくり、手すりをたぐって歩く。



葉月が病室から出ていくと、俺は周りを少し片付けた。



誰か来るたびに少しずつ汚していくからな…。


あまり自由のきかない葉月は、思うように片付けが出来ないから、俺が片付ける。


お菓子のゴミとか、ジュースの缶とか。


ちゃんと片付けていく人は片付けていくけど、愛二とか藍音、若葉、柊雅とか…バカ共は食い散らかしっぱなし。




柊雅が置いていったでっけぇ人形もソファーに座らせた。


ずっとベッドに乗っていたからか、ベッドが広く感じた。




俺はベッドに座って、ボスんとベッドに体を沈めた。
< 249 / 323 >

この作品をシェア

pagetop