生きてあなたを愛したい

そして分娩室に入った葉月。

こういう時改めて気づくもんだ…。



あぁ、なんて無力だって。


「そうだな、お前が考えていることが手に取るように分かるぞ?」



親父が隣で、余裕のない俺を冷やかす。



「『俺は何も出来ないな』ーって考えてんだろ?図星だな」

「分かったようなこと…」



あ…。


「わかってるもんねー。」


「うるせぇ…。」


「バカだな…。出産は葉月の一番最初の仕事だ。お前の仕事はその後。
それから葉月をどれだけ愛せるかだな。
お互い、イライラするぞー?」
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