生きてあなたを愛したい


「バカか。葉月だけの仕事じゃねぇんだよ。なんかうまく言えねーけど…俺にも仕事があんだよ。」



親父は驚いたように目を見開いたあと、ニッと笑って俺の背中を真顔でバシバシ叩きだした。

とうとうイカれやがったな、このクソジジイめ…。



ー3時間後


分娩室の扉が開いて、葉月の心臓外科の担当医の鬼頭先生が出てきた。



「出産が進みません…。彼女にとって出産が長引くことは良くありません…。今からする提案は…彼女の意志にも反します。それに…後の体調がどうなるか…。」

「葉月と子供がそれで助かるなら…」



深刻そうな表情。

中から聞こえてくる葉月の苦しそうな声。


「帝王切開を、…と考えています」


中から出てきた森谷先生。


「帝王切開で取り出した赤ちゃんはすぐに、NICU(新生児集中治療室)で保育器に入ります。
赤ちゃんはN(NICU)が責任をもって治療します。
ですが、葉月さんは…心臓病という事もあり、術後に起こる発熱が命取りになりかねない」
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