生きてあなたを愛したい
「兄貴」




俺は声の主を冷たく睨む。


「何の用だ、柊雅(トウガ)」

俺の弟。





昔から俺とは仲が悪い。
特に理由があるわけでもなく、お互いつっぱっていがみあってる。



ただ…強いて言えば、こいつは性格が悪い。



「女、連れてくるんだって?…可愛い?」

何かを企んだ顔。
俺はこいつのこういうところが嫌いだ。


いつも俺の邪魔をする。







「お前には合わねぇくらいにな」

「へぇ。兄貴から奪ってあげたいな」




柊雅は「じゃあね」と言って部屋に戻って行った。









「相変わらず、ですね」










圭斗は柊雅の部屋を睨みつける。






側近という立場では、侮辱や文句の言葉は許されない。



でも俺は言える。




「クソガキ…」



こんな風にな。



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