生きてあなたを愛したい
堂島組に恨みをもつ組などが、潰そうと抗争を仕掛けてきたり、卑怯なやつは人質をとったりするらしい。
そこでとられやすいのが、私や冬乃さん。
内藤組みたいになるってこと。
餌にして、上を呼び出す。
組員さんたちは私達を全力で守ったり、自分を盾にしたりするらしい。
「ここに住むってことは、極道の世界に足を踏み入れるって事だ。だから…葉月には側近も護衛も付ける。…逃げるなら今だ」
最後の言葉はやけに悲しそう。
いや、甘く見てるわけじゃないですよ、この世界のこと。危険は重々承知ですが…
「優雅といれるなら私はどこでもいいや」
そう言うと、私を包むように抱きしめた優雅。
「お前、あんま可愛いこと言うと食うぞ」
「それは嫌だわ…」
私達は笑いあった。
「葉月の荷物とかは、鈴夏さんがもう送ってくれてる」
「早っ」
「今日からここの人間だ。よろしくな」