お姉ちゃん、ごめんね…
お正月。いつもお姉ちゃんの彼氏が挨拶に来るのに、来なかった。


お姉ちゃんだけ、ひとりで帰ってきた。



そんな日の夕方


インターホンが鳴った。
お姉ちゃんの彼氏だった。


「おじゃまします」

いつもの笑顔がない翔の姿。


この日を最後にしばらく翔という存在が私から少しなくなった。



お父さんに謝りながら、残りのお姉ちゃんの荷物を届けに来たようだった。


お姉ちゃんと翔は不自然に、
『じゃぁ』と言って翔だけ家から出て行った。



よくわからないけど状況だけど。

あの二人は別れたと認識した日だった。


「ってことで、まりなはこの家に戻って来ました♪」と明るく親に挨拶していた。


この数日間の話し合い、今朝まで一緒に住んでいた人と別れてせいせいしてる様子。


悲しそうでもなく、開放感のある顔をしていた。


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