お姉ちゃん、ごめんね…
高校生の私は彼氏もできて、それなりに楽しい毎日だった。


幸せだった。


いつかこの人と結婚とかするのかなって考えたり、この人の名字になるのかなって。


お姉ちゃんとメールで彼氏の話もした。

一緒には住んでないけど、お姉ちゃんのいない家にも慣れて本当に充実していた。



友達とか彼氏とか…

母親を独り占めにもできている。



いつも私を優先にしてくれている。


私の好きなおかず。
私の好きなお弁当。
私が見たいドラマの録画。

今は私だけのお母さんだった。



彼氏はバイトだからって会えなくて、お母さんが買ってきてくれたケーキは私が大好きで、お姉ちゃんの嫌いなチョコレートケーキだった。


そんなクリスマスの翌日。



「ただいまーーー!」


とお姉ちゃんの声がした。




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