いつか、雲一つない青空に雨が降ったなら。
いやいや、偶然でしょう!?





たまたま、風が吹いて、たまたま、雨が上がって、たまたま虹が出たんだ。





そう、たまたま。





「たまたまなんかじゃないですよ。」





「神は思ったことをなんでも実現できるのです。」




そんなわけ…





「ありますよ、神ですから。」





私の心を、読んでる…?





ほんとに神でほんとに何でもできるのなら、この夏に雪を降らせたりこの神社をお城に変えたり、何でもできるの…!?





「はい、神ですから。
琴葉さんは雪の国のお姫様にでもなりたいのですか?」





そう言ってにこっと笑った。





「いえ、違いますから。まじで。」





きっぱりと言ってやった。





「本当に貴方が神様だったとして何の御用でしょうか。」





あからさまに敬語を使ってやった。





「僕は、










琴葉さんを神隠ししにきました。」









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