午前0時のシンデレラ
「……離したら、行くだろ…」
黙って顔を見上げる彼女に、
「……ごめん。キスがしたいんだ……」
しばらくの間見つめた後、唇を寄せた。
今度は彼女は嫌がらなくて、唇どうしが柔らかく触れた。
どうしようもない愛しさがつのって、思わずその身体を抱きしめる。
「……行くなよ」
ギュッと腕をまわして、抱く腕に力を込める。
「……さっきの君の質問の答えだが……」
今言わなければ、もう言えないとも思い、
言葉を切って、じっと瞳を覗き込む。
「……好き…なんだと思う……」
飲んだ酒の量に後押しをされても、それだけ言うのがやっとだった。