午前0時のシンデレラ
「……踵が折れたのか」
「……どうしよう…これじゃ帰れない……」
俺の言葉も届かない風で、立ち尽くしている彼女に、
「……送ってやろうか? だったら俺が」
言うと、「えっ?」と、再び振り向いた。
「……あなたは、さっきの。でも、見ず知らずの人に送ってもらうなんて……」
言うのに、
「俺は、ここの社長だ。見ず知らずでもないだろう」
告げると、
「……社長?」
と、信じられないという顔で見つめた。