午前0時のシンデレラ

「……おまえが遊び相手のアクセサリーのように連れてた女とは、あの子は明らかに違ってたからな。だから、きっと今度は本気なんだろうなって……」

「……嘘だろ…」

自分の気づいてもいなかった感情を、あの時既に悟られていたのかと思ったら、にわかに顔が赤くなるのを感じた。

「……つまり気づいてなかったのは、おまえだけってことだ。周りはみんなわかってたんだよ……おまえの気持ちをな」

「はぁー……」

知らないのは自分ばかりだったのかと思うと、ため息しか出てこなくて、つかんでいたグラスから、ごくりと酒を飲み込んだ……。


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