午前0時のシンデレラ

4


ーーガラス張りの背面に身体を向けて、眼下を眺めた。

「……この景色さえも、今は最高なものにも見えるんだからな…」

あんなにも自暴になりかけていたのが嘘のように、不思議と気持ちまでが晴れるのを感じていた。

そこに内線が入って、

「社長、お約束のクライアントの方がお見えです」

告げられる。

「ああ、入ってもらってくれ」

訪れたクライアントから、新規のビジネスプランを提示されて食い入るようにも見る。

今は、何にでも興味を引かれるようだった。

「……こちらのプランなのですが、どう致しましょうか?」

訊いてくる相手先に、

「ああ、進めてもらって構わない。よろしく頼むよ」

そう返すと、

「本当ですか! ありがとうございます」

と、がっしりと握手をされた。


< 114 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop