午前0時のシンデレラ
完結
ーー帰りの車の中で、彼女の横顔をふと盗み見る。
「……なぁ、これから俺の家に来ないか?」
「……え、社長のお宅へ?」
「ああ、まだ帰したくない」
「……でも、」
「……嫌か?」
強くは押せなくて、心もとなくも尋ねると、黙ったままで彼女は「嫌じゃない」と言うように、首を横に振った。
口をつぐむ彼女を乗せて、マンションへと向かう。
駐車場に車を入れて、助手席の彼女に手を差し伸べる。
俺の手につかまってシートから立つのに、そのまま手を引いて歩き出した。