午前0時のシンデレラ
「……はい」
とだけ、彼女が応える。
頬から、熱い火照りがにわかに伝わってくる。
「……もう、俺は迷わないから……君は、」
そこまで口にして、先を聞くのが怖くもなって言葉を飲み込む。
こんな風にも、相手の気持ちを確かめるのが怖いなどという思いは、かつて感じたこともなかった……。
一旦身体を離して、傍らに置いたグラスからアルコールをグッと流し込んだ。
心地のいい酔いがまわってくるのと同時に、彼女への愛情がつのってもくる。
服がこすれる衣擦れの音がして、彼女の素足に目が行って、
「そうだ……」
と、思い出して、立ち上がった。