午前0時のシンデレラ

しまってあったハイヒールを持って来て、足の前に揃えて置いた。

「……履いてみろよ…」

ソファーに腰かける彼女の足が、床に座る自分の目の前に差し出されて、

「…いや、履かせてやる……」

と、その足首をつかんで、爪先から靴の中にそっと差し入れた。

両足とも履かせて、

「……いいな」

じっと見ていたら、その脚にキスをしたくなった。

持ち上げて靴から覗く甲に唇を付けると、「…あっ」と、小さく声が上がる。

「……可愛いな…」

足首にも唇を滑らせると、

「……くすぐったい……」

頬を染めて、彼女が身をよじった。


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