午前0時のシンデレラ
「立って…ほら」
先に立ち上がって、ソファーの彼女に手を差し伸べる。
「でも、部屋の中で靴を履くなんて……」
差し出した手に、彼女が手を添える。
「その靴は、あの会場でしか履いてないんだから、そんなに汚れてもいないだろう」
ソファーを立つ彼女の手首を片手でぐいと引いて、そのまま腕に抱き締める。
「……もう、ずっと俺と……」
言えずにいた言葉を、
「……いてくれるか?」
吐き出した。