午前0時のシンデレラ
「……栞、俺だけのものにしたいんだ……俺だけの、シンデレラに……」
「……シンデレラ?」
「ああ、初めて会社の階段で出会った時から、ずっとそう思っていた……シンデレラを追いかける王子の心境だった……」
彼女がくすりと微笑みを浮かべる。
「……王子様に迎えに来ていただいて、私も嬉しいです……」
その優しげな笑顔に口づけて、
壊れやすいガラスの靴を抱くように、その身体に傷をつけないようにと、
今までの想いの全てを、その肌に刻み込むように、強く抱き締めた……。