午前0時のシンデレラ
もう付き合ってしばらくたつのに、俺はいつまで彼女の前では純情なんだよとも思う。
純情って……俺がか。
そんな言葉からは、一番かけ離れたところにいたはずなのにな……。
「……あの、私も行きたいです」
口を閉ざして考えていた彼女が、口を開いて、
「……本当にか?」
思わず声が大きくなる。
「……はい」
くすりと笑うのに、いい加減自分でも感情が明からさまに出すぎなんじゃないかと感じて、顔が赤くなってくる。
……純情な自分とか、やってられなさすぎる……紅潮する顔を片手で覆って、
「そうか、嬉しいよ…」
なるべく感情を出さないようにもして、平静を装いつつ口にした……。