午前0時のシンデレラ

チェックインを済ませて、

「まだ食事には時間があるが、どうしようか?」

と、聞く。

部屋の窓から外を眺めていた彼女が振り返って、

「あそこに牧場があるんですね…」

と、高原の向こうを指差した。

「ああ…行ってみるか?」

横に立って、指の先に視線を向ける。

「……行ってみたいです」

言う彼女に、

「わかったよ」

と、肩を抱いて、景色を眺めた。

緑の広がる牧場は、見える限りではそう遠くもなさそうで、車でならすぐに行けそうに思えた。


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