午前0時のシンデレラ
彼女を自分の前に乗せて、身体を抱くようにして手綱をつかんだ。
「……大丈夫か?」
「…はい。一人じゃないから、怖くないです…」
言い分がいちいち可愛いすぎるだろうがと思って、後ろから片手でぎゅっと腰を抱く。
長い黒髪が風に煽られて、頬を撫でる。
片手でその髪を耳にかけると、ふっと口元から息が漏れて、
吐息のかかった耳が、目の前でみるみる紅く染まっていく。
指で耳に触れると、
「…やっ」
ビクッと身体を震わせた。