午前0時のシンデレラ
「かっこ悪くなんか……今日、馬に乗せてもらった時には、とてもかっこよくて……本当の王子様みたいでしたし…」
そう言われて、
「……そうだったか?」
と、受け流して、微かに赤くなった顔を片手で覆いながら、
「ありがとうな…」
付け加えた。
「……食事の時間も過ぎてしまったから、どこか外に食べにでも行くか?」
訊くと、
「でも、もうお体は大丈夫なんですか?」
と、訊き返された。
「ああ、もう大丈夫だ…」
気づかってくれるその優しさが嬉しくて、
「お腹がすいただろう? 出かけよう」
と、彼女の髪を撫でた。