午前0時のシンデレラ
だが繋いだ手から温もりが伝わると、彼女が言っていたように自分も脈が早まるようで、喋ることすらもまともにできずにいた。
互いに無言でいると、繋いだ手だけに意識が集中して、よけいに熱くなってくるようにも感じる。
開いてる店を探し歩きながら、
「……ちょっと遅くなりすぎたな…」
呟く。
高原近くのホテルの周りはもともと店もまばらで、閉まるのも早かった。
「……そうですね」
彼女が応えて、足を止める。