午前0時のシンデレラ
車に着いて、彼女を下ろした。
「ほら、乗れって」
助手席のドアを開ける。
「……すいません。ありがとうございます」
自分も運転席に乗り込みながら、
「なんで、いちいち謝るんだよ?」
と、訊ねた。
「え…? ああ…無意識で……いつも、すいませんって言ってるのでつい……」
「いつもって、そんなに謝ることばかりなのか?」
「……そういうわけじゃないんですけど、」
と、彼女が顔をうつむける。
「なんだか、口癖みたいにもなっていて……」
「すいませんが口癖とか、あんまり関心しないがな」
言うと、
「そう…ですよね…本当に……」
と、彼女はさらにうつむいた。