午前0時のシンデレラ
「……浅見さん」
肩に手を置いて呼びかけると、
「えっ?」と、驚いた顔で振り返った。
「……社長……どうして……」
呆然としたような表情で見られて、
「いや、庶務の仕事を見に来たんだ……」
と、とっさに応えて、
彼女のことが昨夜から気になっていて、つい足を運ばずにもいられなかったという思いをグッと飲み込んだ。
「……社長、浅見が何かしたのでしょうか?」
統括が怪訝な顔で訊ねてくる。
急に声をかけたことで、少なからず周りもざわつき始めていた。