午前0時のシンデレラ

「そんなにお困りなのでしたら……だけど社長なら、お声かけするような女性はいらっしゃるのでは……」

「……君が、いいんだ。出会ったのも何かの縁だし、頼むよ…」

ここぞとばかりに頼み込むと、

「そこまでおっしゃるのなら……」

と、ようやく彼女が受け入れてくれた。

「よかったよ…承諾してもらって。じゃあ詳細はプライベートメールで送るから、確認してほしい」

「プライベートというのは、社内メールでしょうか?」

「ああ、俺はビジネス用とプライベート用にアドレスを2つ持っているんで、社長名義じゃない個人名で送るから」

「そうなんですか、わかりました」

頷く彼女に、

「それまで、この靴は俺が保管しておく」

と、箱をネクタイなどを入れている抽斗の中にしまった。

「わかりました。それでは、よろしくお願いします」

言って一礼をして、彼女は出て行ったーー。



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