午前0時のシンデレラ

彼女が行ってしまうと、ハァー…と長めのため息が口をついた。

なんであんなにガードが固いんだよ……お陰で、ついムキになって誘いをかけたし、俺を本気にさせるとか……、

そこまで思って、本気?と、自らに問い返した。

本気なのか、俺は……?

顎に片手をあてて考え込みながら、

本気とか……俺のタイプじゃないだろう、彼女は……。

と、頭を巡らせた。

どう考えても、今まで付き合いのあった女性たちとは違っていて、自分が好きになるはずもない気がした。

歴代の恋人を思い浮かべると、皆派手な外見で彼女とは正反対で、好みなわけもないと感じた。

……思い過ごしだよなと考えるに至って、頭の中から彼女のことを振り払った……。



< 38 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop