午前0時のシンデレラ
第2章 「シンデレラとの舞踏会は、恋の予感?」
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ーー自分の部屋で、持って来てしまった折れたヒールを眺めながら、
(……俺は、どうしたっていうんだ)
と、考えていた。
なぜ、あの子のことがこんなにも気になるんだ……。
捨てられずにいるヒールを、指で弄ぶ。
「……シンデレラか…」
初めて出会った時のシチュエーションが思い浮かぶ。
「……この俺に媚びもしないで、あんなに強い眼差しで見つめてきた女性はいなかった……」
付き合った女たちの媚びた甘える目を思い出す。
「……何かが、他の女とは違うんだよな…それが、俺を魅きつけるのか…」
ただだからと言って、それが好きという感情に繋がるのかどうかまでは、まだわからなかった……。